| 学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 山田 礼子 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 地域の特徴と大学進学の傾向の関係性 ―九州地方と他の地方を比較して― | ||||
| 内容 | 日本は先進国でありながらジェンダーギャップ指数が低く、特に高等教育段階以降で男女格差が拡大している。国内では、地域によって性別役割意識や進学状況に差がある可能性が指摘されており、九州地方は大学進学率の低さや「九州男児」という言説に象徴される伝統的な性別役割意識が残存している地域とされてきた。先行研究からは、九州地方では全国平均よりも性別役割意識が強く、家庭内の役割分業や親の価値観が子どもの進路意識やキャリア形成に影響を及ぼすことが示されている。 本研究は、九州地方における大学進学傾向と地域に根差す性別役割意識との関係を明らかにすることを目的とした。九州地方では他地域よりも性別役割意識が強く、女子生徒の進学行動、とりわけ地元志向に影響を及ぼしている可能性があるとの問題意識から分析を行った。質問紙調査をもとに、地域・性別別の単純集計およびクロス集計を実施した結果、九州地方では家庭内の家事分担が女性に偏る傾向がより強く、母親の就業形態にかかわらず性別役割分業が維持されていることが示唆された。 |
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| 講評 | 本年度は、20000字の卒業論文を選択した学生は11名、留学により10000字の卒業研究を選択した学生は1人であり、全員が無事に期日通りに提出した。当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。学生達は、量的調査と質的調査の二つの方法すなわち、アンケート調査とインタビュー調査のどちらかを選択して、卒論を書き上げた。また、既存のコマーシャルの録画メディアを収集して、その内容を分析した学生もいた。卒業研究は10000字という制限もあることから、基本的にデータを収集しない文献研究にもとづいておこなうことになった。量的調査も質的調査もいきなりこうした方法の経験がなければ簡単ではない。そのために、3年次においてプロジェクトという形で、量的調査あるいは質的調査を経験し、それをまとめて、グループによる論文としてまとめることを卒論の事前学習として3年次におこなった。そして、そうした経験をベースに4年次では、独自のテーマを設定し、個別指導と、教室での段階的な発表を行い、調査を実施し、まとめていくというプロセスを取ることになる。テーマは、高等教育、ジェンダー、留学生というように、指導教員の専門分野に関連した内容が多く、今年は指導もスムーズにできたと思う。量的調査においては、今年の学生はSNSを活用して、アンケート調査回答者を幅広く集めた学生が多かった。また、自分の出身高校への丁寧な説明を行い、高校生を対象にしたアンケート調査も行った学生もいた。こうしたことは社会人になって仕事を行う場合にも不可欠な要素であり、良い経験になったと思われる。質問項目の作成においても、量的調査だけでなく、インタビュー調査の両方が先行研究を参考にしながら、自分なりの質問項目を作成したことを評価したい。かつては、紙による質問票であったのだが、オンライン調査もこれからの選択肢になることを証明できたと思う。計画を立てながら、早期からテーマに取り組み、個別指導を有効に利用して全員が複数回の卒論の修正を行うというプロセスを通じて提出に至り、2年前から復活した合宿を通じて、より深い卒論の洞察ができたのではないかと思われる。量的調査を選択した学生においては、分析方法などについて、難しいながらも、先行研究を参考にしながら、自分のものにしていき、良い分析へとつながったと思う。インタビュー調査を選択した学生や既存の文献やメディアの内容を分析した学生も、先行研究をしっかりと読むことによって、良いRQを立て、分析へとつながったと評価したい。いずれの、論文も論理的に矛盾はなく、掘り下げもしっかりとできており、オリジナルな視点を提示していたといえるだろう。 |
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| キーワード1 | 男女格差 |
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| キーワード2 | 九州地方 |
| キーワード3 | 性別役割意識 |
| キーワード4 | 進路選択 |
| キーワード5 | 就業形態 |