卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名山田 礼子 年度2025年度
タイトル大学進学における進路選択プロセスの分析ー大学選択に影響を与える要因・入学後満足度との関連に着目してー
内容 本研究の目的は、受験生が何から影響を受けて、何を基準に進学する大学を選んでいるのか、そしてその基準が入学後の満足度にどのように関わっているのかを明らかにすることである。先行研究では、個人の属性や周囲の人物が受験生の大学選択に影響を与えること、また大学選択基準によって入学後の満足度に差異が生じることが指摘されてきた。しかし、大学選択時から入学後までを総合的に捉え分析した研究は十分とは言えない。そこで本研究では、質問紙調査を通して、属性や人的影響源などの要因と大学選択基準、さらに大学選択基準と大学満足度の関連を分析した。その結果、さまざまな要因から影響を受けて形成される受験生の大学選択基準は、実際の大学生活における満足度に必ずしも結びついていないことが分かった。このことは、生徒の学力や大学のイメージだけでなく、入学後の学生生活等もふまえた進路指導・進学支援を行うことの重要性を示唆している。
講評 本年度は、20000字の卒業論文を選択した学生は11名、留学により10000字の卒業研究を選択した学生は1人であり、全員が無事に期日通りに提出した。当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。学生達は、量的調査と質的調査の二つの方法すなわち、アンケート調査とインタビュー調査のどちらかを選択して、卒論を書き上げた。また、既存のコマーシャルの録画メディアを収集して、その内容を分析した学生もいた。卒業研究は10000字という制限もあることから、基本的にデータを収集しない文献研究にもとづいておこなうことになった。量的調査も質的調査もいきなりこうした方法の経験がなければ簡単ではない。そのために、3年次においてプロジェクトという形で、量的調査あるいは質的調査を経験し、それをまとめて、グループによる論文としてまとめることを卒論の事前学習として3年次におこなった。そして、そうした経験をベースに4年次では、独自のテーマを設定し、個別指導と、教室での段階的な発表を行い、調査を実施し、まとめていくというプロセスを取ることになる。テーマは、高等教育、ジェンダー、留学生というように、指導教員の専門分野に関連した内容が多く、今年は指導もスムーズにできたと思う。量的調査においては、今年の学生はSNSを活用して、アンケート調査回答者を幅広く集めた学生が多かった。また、自分の出身高校への丁寧な説明を行い、高校生を対象にしたアンケート調査も行った学生もいた。こうしたことは社会人になって仕事を行う場合にも不可欠な要素であり、良い経験になったと思われる。質問項目の作成においても、量的調査だけでなく、インタビュー調査の両方が先行研究を参考にしながら、自分なりの質問項目を作成したことを評価したい。かつては、紙による質問票であったのだが、オンライン調査もこれからの選択肢になることを証明できたと思う。計画を立てながら、早期からテーマに取り組み、個別指導を有効に利用して全員が複数回の卒論の修正を行うというプロセスを通じて提出に至り、2年前から復活した合宿を通じて、より深い卒論の洞察ができたのではないかと思われる。量的調査を選択した学生においては、分析方法などについて、難しいながらも、先行研究を参考にしながら、自分のものにしていき、良い分析へとつながったと思う。インタビュー調査を選択した学生や既存の文献やメディアの内容を分析した学生も、先行研究をしっかりと読むことによって、良いRQを立て、分析へとつながったと評価したい。いずれの、論文も論理的に矛盾はなく、掘り下げもしっかりとできており、オリジナルな視点を提示していたといえるだろう。
キーワード1 進路選択
キーワード2 大学選択
キーワード3 大学満足度
キーワード4 進路指導
キーワード5 大学広報