卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名山本 圭三・武田 祐佳 年度2025年度
タイトル沖縄における民間信仰の現代的変容 -ユタを事例として-
内容 本稿では、沖縄の民間信仰において私的領域(吉凶判断、健康祈願、お墓に関することなど)を管轄する宗教実修者であるユタの現代的変容を明らかにするものである。ユタは生まれながらの霊感の素質(サーダカウマレ)に加え、心身の不調や異常行動を伴う「カミダーリィ」(神がかり)という苦難の過程(成巫過程)を経ることが必須とされる。琉球王朝時代から繰り返し禁圧・弾圧の対象とされてきた歴史背景をもつ存在でもある。
現代の意識調査では、ユタに悩み事を「全く相談しない」と回答する県民が大多数であり、特に若年層においてその存在認知が薄まっている。ユタ自身の高齢化やほか影響から、従来の生活に密着したかつてのユタの姿は衰退傾向にある。
その一方で、ユタは現代社会で「消費」の対象として新たな形で利用されている。インターネット上で、ユタは霊能力者としてオカルトやスピリチュアルのコンテンツに取り込まれ、マネタイズ(金銭的利益)を図る手段とされている。さらに、観光資源化される動きも見られる。本稿は、これらの社会的評価の変遷と消費のされ方から、沖縄の伝統的な民間信仰が現代の環境において変容しつつある現状を考察する。
講評 沖縄に伝わる伝統的な信仰を題材にした論文。数少ない手がかりをもとに、インタビューと参与観察によって現状を明らかにしようとしている。論の展開がうまく、読み手を惹きつける文章で書かれているため、読者は小説を読んでいるかのように一気に読み進められるはずだ。
キーワード1 ユタ
キーワード2 成巫過程
キーワード3 消費
キーワード4
キーワード5