卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名山本 圭三・武田 祐佳 年度2025年度
タイトル都市政策におけるLRT(路面電車)の再評価
内容 本稿は、LRT導入事例として富山市と宇都宮市を比較分析し、LRTが都市再編に与える影響を考察する。LRTは、自動車依存による都市拡散と公共交通衰退の悪循環を断ち切り、都市機能の再集約を図る「コンパクトシティ政策」の中核をなす都市装置として再評価されている。富山の事例は、廃線危機にあったJR富山港線という既存インフラと、路面電車利用の文化という物理・文化的ストックを活かした再生事業である。「お団子と串」構想のもと短期間での導入と利用者回復を実現した。宇都宮は既存路線を持たない全新設型として、「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現を目指した。計画から開業まで約30年を要したが、この期間は車中心の移動観を転換するための「成熟の時間」であったと評価できる。また、ノウハウ不足を全国の事業者からの知見の「移植」によって克服し、国内初の全扉信用乗車方式導入など制度的革新を伴った。両事例の比較から、LRT導入の成否は技術や制度だけでなく、都市の歴史的背景や合意形成のあり方に深く依存することが示された。LRTは、多様な人々が共存する交通体系を再構築し、持続可能な都市づくりを推進する重要な装置である。
講評 LRT(次世代型路面電車)の導入例として富山市と宇都宮市を比較し、LRT導入の成否の条件について考察している。都市再生の一手段としてLRTを導入する動きが各地でみられるが、全国的に路面電車事業の経験や人材が減少する中、その知見や経験をどのように引き継ぎ、活用していていくのかという指摘は重要である。
キーワード1 LRT(次世代路面電車)
キーワード2 コンパクトシティ
キーワード3 都市交通政策
キーワード4
キーワード5