| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 山本 圭三・武田 祐佳 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 「正義」はいかにして「悪」になるか ——ケアと普遍主義の不均衡が生む「過剰適応」と攻撃性のメカニズム—— | ||||
| 内容 | 本研究は「『正義』はいかにして『悪』になるか」を、個人の正義感が攻撃や排除へ転化する過程として捉え、利他性(文脈に応じた他者配慮)と規律性(文脈を排した原則の優先)の二軸から検討した。道徳基盤理論のケア/公正を、パーソンズの普遍主義/特殊主義の視点で再構し、過去に行った大学生調査(有効回答301名)の二次分析を実施した。二軸の組合せで4類型を作成し、とくに低利他・高規律の第4群(規律優位型)に焦点化したところ、第4群は共感・幸福感が低く他者不信が強い一方、厳罰志向や不寛容、善悪の二分法的な人間観が顕著で、弱者支援には消極的だが「公正」名目の制裁には反応しやすかった。さらに、形式的な地域参加とケアを要する救済活動の忌避が同居し、規範遵守を盾にケア責任を回避する「排除的フリーライダー」像が示唆された。以上は、利他性を欠いた規律の肥大が他者の物象化を通じて加害を正当化しうることを示す。ただし横断データ・学生サンプルの制約があり、一般化と因果推論には慎重さが求められる。 |
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| 講評 | 現代人の「正義感」のありようについて、計量的な手法を用いて検討する論文。先行研究をふまえた議論も手堅く、論の運びも丁寧である。分析結果に基づき、「防衛機制に基づく攻撃」「排除的フリーライダー」など、説得力のあるタームを用いて説明されている点などが高く評価できる。 |
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| キーワード1 | 正義感 |
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| キーワード2 | ケア |
| キーワード3 | 普遍主義 |
| キーワード4 | 過剰適応 |
| キーワード5 |