学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 阿部 康人 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 「実在人物を描いた映画作品における、事実とフィクションの境界」 -ジョン・F・ケネディと映画『PT109』と『JFK』の分析- |
内容 | 本研究は、実在人物を描いた映画作品において、事実とフィクションの境界がどのように構築され、視聴者の歴史認識にどのような影響を与えるのかを分析した。ジョン・F・ケネディを題材とする映画『PT109』(1963)と『JFK』(1991)を対象に、両作品のケネディ像の描き方と、社会に対する影響を考察した。『PT109』では、冷戦期のアメリカ社会が求めた英雄的リーダー像を強調し、理想化されたケネディ像を形成した。『JFK』では、ケネディ暗殺事件を巡る陰謀論を提示し、視聴者に歴史の多面性を意識させた。これらの映画は歴史の再現をするというだけでなく、時代の価値観を反映しながら歴史を再構築し、新たな歴史認識を生み出すメディアとして機能している。映画が持つ視覚的な影響力により、歴史的事実とフィクションの境界は曖昧になり、観客の記憶や価値観に深く刻まれる可能性が高い。本研究は、伝記映画の社会的や文化的な影響を考察し、メディアリテラシーの重要性を示した。 |
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講評 | ジョン・F・ケネディを題材とする二つの映画を研究対象とした作品です。安易な反映理論に陥ることなく映画が制作された時代背景を考慮しながら議論を展開できていた点、また研究の意義について丁寧に説明できた点を評価します。一方、本研究の理論的枠組についてもう少し丁寧に記述できていればさらによい論文になったのではないかと思います。歴史と記憶という三年次で学んだ内容に関連する本研究テーマで、さまざまな英語文献にあたりながら、最後まで書き抜くことができました。学生時代の努力の結晶である本作を評価します。 |
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キーワード1 | 伝記映画 |
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キーワード2 | 歴史認識 |
キーワード3 | ジョン・F・ケネディ |
キーワード4 | 事実とフィクション |
キーワード5 | メディアの影響 |