学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 阿部 康人 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | テレビドラマ『消えた初恋』に見るBLマンガがテレビドラマ化されることによる効果 |
内容 | 本稿ではテレビドラマ『消えた初恋』とその原作を研究対象として、マンガからテレビドラマへとアダプテーションが行われる際にどのような理由で翻案が行われているのか、またその効果について研究を行った。テレビドラマを軸にマンガの対応シーンと比較を行い、背景描写に男女の二人組が写り込んでいること、設定に変化が加えられたキャラクターの存在を確認した。それにより同性愛と「普通」の恋愛とが対比されていること、さらに同性愛嫌悪者の提示とそれの強い否定が行われていることが明らかになった。さらに、テレビが偶然性と拡散力を持った媒体であること、『消えた初恋』ではLGBT監修をスタッフに組み込んでいることを確認した。BL研究の視点からは、BL表現に対して「どのように表現されているか」という点が評価の別れ目になることが明らかとなった。以上の視点から、テレビドラマ『消えた初恋』に関して、同性愛嫌悪者を真っ向から否定すること、同性愛が成就していく様を心の動きに寄り添って丁寧に描写することで同性愛のマイナスイメージを払拭する効果があったと評価できる。 |
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講評 | マンガ『消えた初恋』のテレビドラマへのアダプテーションを研究対象とした作品です。マンガとテレビドラマというそれぞれのメディアが想定しているオーデェインスの違いを念頭におきながら、それぞれの描写の類似点と相違点を厳密に検証された点を高く評価します。一方、論文の構成についてはもう少し検討されたらさらによい論文になったのではないかと思います。部活動などで日々忙しくしながらも、二年次生から一つの研究対象を追い続けて、提出日直前の最後の最後までよりよい作品をつくるために手を抜かずに力作を完成させました。学生時代の努力の結晶である本作を評価します。 |
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キーワード1 | テレビドラマ |
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キーワード2 | ボーイズラブ(BL) |
キーワード3 | アダプテーション |
キーワード4 | マンガ |
キーワード5 | 『消えた初恋』 |