学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 阿部 康人 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 少女漫画における男性像の時代的変化 ―キャラクターの作動性・共同性に着目して― |
内容 | 「男の子なら泣くな」「女の子ならおしとやかに」といった言葉は今や時代にそぐわないものとなり、固定観念に囚われない男性・女性を見かけることも多くなってきた。 そうした変化に伴い、メディア作品に描かれる人物の時代別変化は数多く研究されている一方で、少女漫画の男性キャラに焦点を当てた研究は非常に少ない。また漫画研究は定性分析が多いことを踏まえ、本研究では「少女漫画が発信してきた男性キャラの姿は時代と共にどのように変化しているのか」という問いを立て、1990年代から2010年代後半の6つの漫画に登場する男性キャラの行動や言動に着目し、作動性(男らしさ)と共同性(女らしさ)の時代別変化を調べた。 その結果、時代とともに男性キャラの否定的作動性は減少、肯定的共同性は増加した。「俺様キャラ」「強い」と表わされる男性キャラがヒロインの相手役だった時代から変化し、「優しい」「癒し」という言葉で表現される男性キャラが人気を集めるようになったと論考していた先行研究の結果を定量的に裏付ける形となった。 |
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講評 | 少女漫画に出てくる男性キャラクター表象の変遷を量的データに基づいて検証した作品です。こうした表象の変遷については多くの研究者が質的データで議論を展開する傾向があるところ、量的データにこだわって厳密に論証を試みた点を評価します。一方、量的データの分析手法についてもう少し丁寧に論じられればさらに良い論文になったのではないかと思います。留学生活などを経て、テーマも何度か変わったものの、テーマが決まれば最後までぶれることなく完走しました。学生時代の努力の結晶である本作を評価します。 |
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キーワード1 | 少女漫画 |
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キーワード2 | 男性キャラクター |
キーワード3 | 定量分析 |
キーワード4 | 作動性 |
キーワード5 | 共同性 |