学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代・池田 梨恵子 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 京都市の飲食店におけるムスリム対応―ハラール飲食店と認証機関へのインタビューから― |
内容 | 訪日・在日ムスリムの増加に伴い、日本でのハラールフード需要が高まっている。年間500万人以上の外国人観光客が訪れる京都市ではその需要はより一層増加している。しかし、先行研究からハラール認証の取得には費用や時間がかかることが明らかになっている。京都市でハラール対応している飲食店はどのような目的や経緯でハラール対応をしているのか。本稿は、京都市においてハラール飲食店が増加しない理由を明らかにするため、ハラール認証機関と京都市の飲食店を対象にインタビュー調査を実施した。調査結果から、認証取得には書類審査や設備投資がハードルとなっており、認証機関は業務量の多さや人員不足に悩まされていることが判明した。さらに、ハラール認証機関と飲食店の間には認証の目的、認証基準の厳しさ、認証にかかるコストといったギャップが生じていた。ハラール対応を続けるには顧客からのフィードバックなどを通じた需要の理解が重要であり、飲食店のモチベーションが大きく影響していることが示唆された。本研究は、ハラール対応現場の課題や、認証機関・飲食店間の連携の必要性を明らかにし、異文化理解とハラール対応の発展に寄与することを目指している。 |
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講評 | 池田・藤本ゼミの卒業論文は、個々の学生の興味関心を反映したテーマについて、研究・執筆が行われました。13名のゼミ生の卒論のテーマは、①京都市のDVの実態と支援、②ハラール対応飲食店、③子どもの習い事の格差、④大学生のポジティブな休学、⑤大学生の留年・中退、⑥海外での日本人留学生の就労、⑦日本企業におけるAI技術開発の推移、働く場におけるAI導入の影響(⑧運輸業・⑨製造業における需要予測)、⑩部活における組織改革の影響、⑪学生のサークル参加への意識、⑫社会人野球選手のキャリア、⑬家族経営の農業におけるジェンダー変遷、という多様なテーマになっています。また、3年生の社会調査実習で取り組んだテーマを発展させて卒論のテーマを設定した学生も3名いました。調査方法についても、インタビュー調査や参与観察、資料分析、量的データの二次分析まで様々な調査方法や複数の調査方法を組み合わせて、調査に取り組みました。 全体的に卒論を進み具合が2極化したことで、完成度に差が見られました。早い進度のグループは、広く文献を捕虜し整理できていました。また、分析や考察にもじっくり取り組んだことで、完成度の高い論文になっていました。遅いグループの研究も、それぞれの研究で興味深い事例や新しい知見の提示がなされていましたが、既存の研究の整理と問いの設定のつながりが曖昧になっていたり、既存の研究の中に調査結果を位置づけられていない論文もあり、もう少し早く取り組むことでより完成度が高められたのではないかと思います。 問いを立て、調査を行い、論文を書き上げる過程は、決して簡単なことではなかったと思いますが、ゼミ生がお互いに励まし合いながら、最後まで全員が粘り強く完成に向けて努力したことを高く評価しています。この経験が今後のみなさんに役立つよう願っています。 |
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キーワード1 | ハラール対応 |
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キーワード2 | 異文化理解 |
キーワード3 | 社会的連携 |
キーワード4 | |
キーワード5 |