学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代・池田 梨恵子 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 社会人野球選手の働き方と引退後のキャリア ―社会人野球経験者へのインタビュー調査をもとに― |
内容 | 本論文では社会人野球選手の働き方と引退後のキャリアの実現に向け、引退した社会人野球選手3名と比較のために現役社会人野球選手1名の計4名にインタビュー調査を行い、分析を行った。インタビュー調査の結果、社会人野球選手の働き方は「半日出勤、異動あり」型と「月1出社、異動なし」型の大きく2つに分類され、この違いが他の社員との関係や引退後のキャリアに影響を与えていた。また、先行研究より示された社業と野球の両立の難しさが確認された一方で先行研究が少なかった引退後のキャリアの実現に向けて選手が望む支援も明らかとなった。調査結果から「半日出勤、異動あり」型の企業において、引退後OJTが実施されている企業は多いものの、他の社員との知識や経験を埋めるためのOFF-JTやキャリア形成に向けた面談は実施されていなかった。同様に「月1出社、異動なし」型は、引退後OJTや面談は実施されていなかった。そのため、引退後に遅れを取り戻すためのOFF-JTやキャリア形成に向けた面談の実施といった支援や、引退後の初期配属では野球部OBが所属する部署で社業に取り組ませるといった配慮が必要であると考える。 |
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講評 | 池田・藤本ゼミの卒業論文は、個々の学生の興味関心を反映したテーマについて、研究・執筆が行われました。13名のゼミ生の卒論のテーマは、①京都市のDVの実態と支援、②ハラール対応飲食店、③子どもの習い事の格差、④大学生のポジティブな休学、⑤大学生の留年・中退、⑥海外での日本人留学生の就労、⑦日本企業におけるAI技術開発の推移、働く場におけるAI導入の影響(⑧運輸業・⑨製造業における需要予測)、⑩部活における組織改革の影響、⑪学生のサークル参加への意識、⑫社会人野球選手のキャリア、⑬家族経営の農業におけるジェンダー変遷、という多様なテーマになっています。また、3年生の社会調査実習で取り組んだテーマを発展させて卒論のテーマを設定した学生も3名いました。調査方法についても、インタビュー調査や参与観察、資料分析、量的データの二次分析まで様々な調査方法や複数の調査方法を組み合わせて、調査に取り組みました。 全体的に卒論を進み具合が2極化したことで、完成度に差が見られました。早い進度のグループは、広く文献を捕虜し整理できていました。また、分析や考察にもじっくり取り組んだことで、完成度の高い論文になっていました。遅いグループの研究も、それぞれの研究で興味深い事例や新しい知見の提示がなされていましたが、既存の研究の整理と問いの設定のつながりが曖昧になっていたり、既存の研究の中に調査結果を位置づけられていない論文もあり、もう少し早く取り組むことでより完成度が高められたのではないかと思います。 問いを立て、調査を行い、論文を書き上げる過程は、決して簡単なことではなかったと思いますが、ゼミ生がお互いに励まし合いながら、最後まで全員が粘り強く完成に向けて努力したことを高く評価しています。この経験が今後のみなさんに役立つよう願っています。 |
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キーワード1 | 社会人野球選手の働き方 |
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キーワード2 | 野球部社員と他の社員との関り方 |
キーワード3 | 引退後のキャリア支援 |
キーワード4 | |
キーワード5 |