内容 |
本稿の目的は、公的機関におけるひとり親家庭の「子」に対する現状の支援を批判的に捉え、当該家庭の「子」に対する更なる支援の必要性や具体的な支援内容について当事者の目線を軸として考察することである。これまでのひとり親家庭に関する研究では、「子」にフォーカスした課題や具体的な支援について深く扱われてこなかった。そこで本稿では、ひとり親家庭での暮らしを経験した学生から得られた聞き取りを基に、ひとり親家庭での生活を経験した「子」が考える支援の妥当性や新たな支援の可能性について検討した。調査によって明らかにされたのは以下の二点である。第一に、前提としてそれぞれの「ひとり親家庭」を独立したものとして捉える必要があるが、当該家庭の子たちは、家庭以外での他者との関わりの中で自身の家庭状況を自分なりに受け止めて生きている。第二に、当事者の立場からもひとり親家庭に対する支援は必要とされている。そして具体的な支援の可能性は様々あるものの、現状以上に支援に関する領域の幅を拡大していく必要がある。
さらにこれらの調査結果の分析から、ひとり親家庭の子を支える上で、公的機関によって提供される物的支援以上に「健全かつ不変的な居場所の構築」が重要であるという考察に至った。 |