| 内容 |
現代社会は「かわいい」で溢れている。それは単なる言葉にとどまらず、世界へ向けて概念や文化として拡散されつつあり、今や「おんなこども」「おとこおとな」の区別は無効化され、「何にでも」適用される・できる言葉へと進化した。その変遷を辿るべく、「かわいい」という感覚の誕生、語源や由来を解き明かし、人々に愛された「かわいいもの」について時代を追いながら注目することで、日本を取り巻いてきた社会情勢に至るまでを思案する。出現から現代にかけ、認識の変化を遂げてきた「かわいい」は、やがて経済活動とも切っても切り離せない存在となる。消費社会の中でも飽きられないよう、人の手によって様々なハイブリット化を経験し、やがて海外へと、キャラクターなどに代表される「かわいいもの」を通じてその存在は拡散される。世界各国の人々に、国籍年齢問わず与えた影響諸々を考えても、もはや「かわいい」は産業の枠にとどまらない。ボーダーレス化の進む現代において、地球規模の新たな文化形成をもたらしているとしても過言ではない日本は、今後どのような展開を見せるのか。多面的な考察を通して「かわいい」を見つめ直し、グローバルな視点へと展開する。 |