講評 |
2010年度の卒業論文の提出も無事に終了した。本年度は山田ゼミに所属している学生は、一人も来年度に積み残ることなく、全員が卒業論文を書き上げたことをうれしく思っている。私のゼミでは、3年次に「学生政策フォーラム」という大きな学生のための学会に向けての、論文執筆と発表に準備を7か月近くかけておこなう。そのプロセスを通じて、グループではあるが論文の書き方については、かなり時間をかけて訓練がなされる。したがって、4年次になってから、卒論のテーマを見つけ、文献を読み、データを集めるという時間的制約があるにせよ、3年次の経験が4年次の論文に反映される。今年は、3年次で行った「学生政策フォーラム」への論文のテーマをベースに卒論を執筆した者が3名いた。問題意識をさらに明確にして、それぞれの研究につなげていったことを評価したい。他の3名のテーマについても、それぞれの問題意識に基づきながら、文献を中心に研究を進めたり、山田ゼミの特徴でもある、直接データを収集し、それをまとめていくということを行っているなど、ゼミの学びを反映していることは評価できる。
しかし、一方で、自立的に研究を進めていく姿勢が揺らいでいることが気になる。4年生といえば、社会人の一歩手前の存在でもある。同志社の建学の理念でもある、「自治・自立」の意味を考えながら、卒論に向き合ってほしかった。この姿勢が欠けていたことが残念である。
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