卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名山田 礼子 年度2010年度
タイトル総合大学における教職課程の質保証に関する現状と課題―教員へのインタビュー等調査から―
内容  本稿は、自身の経験を基に「現行の総合大学における教職課程は、実践的指導力が養えていない」という仮説を設定し、総合大学における教職課程の質保証に関する現状と課題を検証する論文である。第一章では現行の、教職課程の在り方・教育職員免許法・教員に求められる資質能力を明らかにし、現在求められている教員の在り方を示す。第二章では、現行の総合大学における教職課程が内容的に課題を抱えていることを述べる。第三章では、自身で作成した教員に対してのインタビュー等の調査を実施し、教員から見る教職課程の現状を確認した。そこから実践的指導力が養えていない現状や教職課程と現場にはミスマッチが存在することが明らかになり、自身の設定した仮説を証明することができた。またその調査から、単科大学・学部の教職課程が必ずしも優れているわけではないなどの、仮説とは違う知見を見出すことも出来た。
講評  2010年度の卒業論文の提出も無事に終了した。本年度は山田ゼミに所属している学生は、一人も来年度に積み残ることなく、全員が卒業論文を書き上げたことをうれしく思っている。私のゼミでは、3年次に「学生政策フォーラム」という大きな学生のための学会に向けての、論文執筆と発表に準備を7か月近くかけておこなう。そのプロセスを通じて、グループではあるが論文の書き方については、かなり時間をかけて訓練がなされる。したがって、4年次になってから、卒論のテーマを見つけ、文献を読み、データを集めるという時間的制約があるにせよ、3年次の経験が4年次の論文に反映される。今年は、3年次で行った「学生政策フォーラム」への論文のテーマをベースに卒論を執筆した者が3名いた。問題意識をさらに明確にして、それぞれの研究につなげていったことを評価したい。他の3名のテーマについても、それぞれの問題意識に基づきながら、文献を中心に研究を進めたり、山田ゼミの特徴でもある、直接データを収集し、それをまとめていくということを行っているなど、ゼミの学びを反映していることは評価できる。
 しかし、一方で、自立的に研究を進めていく姿勢が揺らいでいることが気になる。4年生といえば、社会人の一歩手前の存在でもある。同志社の建学の理念でもある、「自治・自立」の意味を考えながら、卒論に向き合ってほしかった。この姿勢が欠けていたことが残念である。
キーワード1 教職課程
キーワード2 実践的指導力
キーワード3 教員
キーワード4 総合大学
キーワード5 質保証