内容 |
本論文は、アフガニスタン、バングラディシュ、カンボジアの3カ国の識字率・識字教育活動を比較調査したものである。第1章では、各国の国内情勢を踏まえながら、実際の識字率を調査し、教育がどのように行われているのかを追究している。教育を受ける権利は、世界共通の約束事であるのにもかかわらず、各国はそれを実行するのが極めて困難で公の学校教育ではなく、学校以外の特設の教育の場を借りて識字教育を展開している。特に、本論文は、識字の重要性を述べ、人間が生活するうえで最重要であることを主張するものである。その意味で、識字を学ぶことは学校という正式な場を選ぶことができない人にとって、学校以外の場での学習が必要不可欠になる。
次に、本論文の第2章では、各国の識字教育活動がどのように行われているかを述べた。実際、各国が学校以外の教育の場を提供すると言っても、それぞれの国内事情が異なり、同じような方法で識字教育活動ができるわけではない。各国に適切な識字教育活動方法はどのようなものかを考え、型にあてはまらない教育活動が展開されていることを紹介する。また、こうした教育活動を良いと判断するだけでなく、国家は識字教育を最重要事項と認識すべきなので、それに関連する批判的な課題についても論じていた。
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