卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名金子 邦秀 年度2011年度
タイトル小学校における「学級崩壊」の原因と対策
内容  「学級崩壊」とは、「小学校において、授業中、立ち歩きや私語、自己中心的な行動をとる児童によって、集団の秩序が喪失し、学級全体の授業が成立しない状態」のことである。1990代から現在にわたって、全国各地で起きている社会問題である。小学校における「学級崩壊」の主な原因とは、社会の変化により集団形成能力が十分に育っていない児童に対し、教師が対応できず、管理的に押さえこむ指導をしたり、集団形成を育てる指導を怠ったことにある。
 対策として、まず原因を追究し、教師・児童が共に変わることを認め合い、ルールの確立と人間関係の確立の両面を軸に、適切な対応を取ることが大切であると考える。常に教師は表面化する「学級崩壊」のシグナルを捉え、深刻化する前の早急な対処が必要不可欠である。また、現代の子どもたちの実態を捉え、「学級崩壊」はどの学校にも起こる可能性があるという共通認識を社会全体で持つことが大切だと考える。
講評  すべての卒論が金子ゼミの特色である学校教育に関する諸問題を取り扱う卒業論文であった。ある意味では学校教育は各自がこれまで経験をしてきたことがあり、テーマ設定が、よい意味でも悪い意味でも、各自の学校に関する原体験が問題意識として共通にみられた。その意味では、テーマは異なるにしても、相互に深め合うことはできていた。
 しかし、その原体験を活かしながら、また、参考文献を活用しながら論点は皆おさえているのだが、そのうえで、独自の論を展開し新たな知見を論じる点が共通してやや不足していた。 9月1日に10000字レポートを提出したときからでも、皆、大きく成長した。 今後、この卒論執筆の経験を活かして、社会人として、自他の意見をまとめたり、各自の主張を的確に伝達する力をなお一層それぞれの活躍の場で身に付ける努力を重ねていってほしい。
キーワード1 学級崩壊
キーワード2 授業不成立
キーワード3 管理的教師
キーワード4 学級集団
キーワード5 自己確立の援助