卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名山田 礼子 年度2011年度
タイトル新卒雇用における雇用行政と大学の関係性―ハローワークとキャリアセンターを事例として―
内容  東日本大震災のあった今年、就職活動開始時期が例年より2ヶ月遅れでスタートとなった。リーマンショックから続く企業の業績の悪化など新卒者を取り巻く環境は日々変化し、就職活動も多様化している。一方で就職内定率は最低水準となり、ますます就活市場は白熱、事態は学生の「自己責任」では解決できない社会問題へと発展している。
 本稿では、その解決策を探るべく、新卒雇用の支援を行うハローワークとキャリアセンターという母体もバックグラウンドも全く違う二つに焦点を当て、その関係性について考察する。第1章では若年者雇用に関する現状分析行い、大学4年生新卒を取り巻く現状分析を行う。第2章ではハローワークとキャリアセンターそれぞれについて考察し、第3章ではインタビュー調査の結果をもとに比較分析を行う。第4章ではその結果をもとにハローワークとキャリアセンターの連携の可能性とその障壁について考察する。
講評  私のゼミでは、3年次に「ISFJ日本政策学生会議」に参加し、政策フォーラムに向けて論文を約3万字書き上げるという経験をしているために、4年生にとっては今回が新たに論文を書く経験ではなかった。しかしこれらのテーマに対する問題意識を持ち論理展開する訓練を行っていたことが、むしろ論文執筆に取り掛かるのが遅くなる要因となった。本来ならば10、11月には一回目の添削を行うところが、ぎりぎりのスケジュールになってしまったのが大変残念であった。スケジュール管理が非常に弱いというのが反省点である。
 また、私のゼミの特徴として、自分の問題意識に基づいてデータを集めるということを基本的に義務付けている。4年生は研究方法として質問紙調査、インタビュー、ホームページのデータをもとに分析するなど、データ分析を全員が行った。このように、3年次のゼミで学んだことを活かし、問題意識を明確に持つこと、そしてその問題意識に基づいてデータの収集・分析を行って結論付けていくということが全員出来ていたことは評価したい。特に、質問紙調査やインタビュー調査を行う際には、関係者へのお願いから始まって、最後にまとめた結果を何らかの形で提示することがマナーとして求められる。こうしたマナーは社会人になってからは当然要求される。しかし、社会人として当たり前に求められることが、学生はなかなかできないのも事実である。卒論執筆にあたって、こうした機会を経験できたことは、将来役に立つと期待している。
さらに、学生同士が自発的に互いの論文を添削し合うという行動をとったことは、新しいステップであると感じた。
キーワード1 就職活動
キーワード2 新卒者
キーワード3 キャリアセンター
キーワード4 ハローワーク
キーワード5 連携