卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名崔 紗華 年度2025年度
タイトル韓国におけるニューライトの語義変化 ー2000年代メディアでの報じられ方の変遷ー
内容 本研究は、韓国における「ニューライト」という語が、2000年代初頭の経済思想的保守概念から、近年では「親日派」や「極右」と同義的に扱われる政治的レッテルへと変化した経緯を、新聞報道の分析を通して明らかにするものである。分析対象は、保守系の『朝鮮日報』と進歩系の『ハンギョレ新聞』における2004~2025年の記事である。両紙を比較した結果、「ニューライト」と共に出現する語は、先行研究で頻出した「経済」「新自由主義」よりも、「歴史」「親日派」が圧倒的に多く、語義の焦点が経済から歴史認識へと移していることが示された。特に2005年の教科書フォーラム設立、2008年の収賄事件、2013~2015年の国定教科書論争、2022年以降の尹錫悦政権下での人事問題などが転換点となり、ニューライトは「歴史修正主義」的立場と薄日津得られるようになった。これらの結果から、ニューライトは当初の「自由・市場・法治」を掲げた中道保守運動から、韓国社会における記憶政治とイデオロギー対立の象徴へと変容したことが明らかになった。
講評 本稿は、2000年以降、韓国において登場した「ニューライト」という語が、2025年現在に至るまでいかなる意味に変化したのかを、韓国の主要新聞社の記事を通じて分析したものである。世界各地で、反既成政治の潮流がますます勢いを増す中、ポピュリズムという現象を扱った研究は増えているが、その主な対象は欧米や日本であり、それ以外の地域を主要な対象として扱う研究は多くない。そのような中でも、本稿は韓国という対象に焦点を当てており、その中でもメディアを中心に展開されてきた「ニューライト」の語義変化を丹念に明らかにした点で学術的意義のある研究である。また、語義変化の要因やその意味も深く考察できた点において高く評価できる。
キーワード1 ニューライト
キーワード2 語義変化
キーワード3 歴史認識
キーワード4 メディア報道
キーワード5 韓国保守主義