| 学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 崔 紗華 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 近代国家形成期における琉球の進路 ―親清派と開化派の運動に注目して― | ||||
| 内容 | 本稿の目的は、1870年代から1910年代において琉球王国の沖縄化が沖縄の人々にとってどのように捉えられたのかを史的に考察することにある。現在の歴史教育では、1870年代に起きた琉球処分に関して、日本政府からの目線で描かれることが多い。また、先行研究では琉球処分に反対した親清派の動向が主に取り上げられてきた。それに対し本稿は、実際の歴史の中で日本政府の琉球処分に抵抗を示した琉球王国の人々に着目した。特に、1870年代に起きた琉球処分を受けて沖縄で発生した親清派、また琉球処分に迎合した開化派の両勢力がどのような運動を展開し、それぞれの活動に大きな影響を与えた事件を経てその運動にどのような変化が生まれたかを考察した。琉球処分後、親清派は台湾出兵や日清戦争を経て勢力を失い、開化派が沖縄の文明化を進めていった。本稿によって、琉球処分期に展開された多様な運動に着目し、沖縄が日本に組み込まれた経緯を明らかにする。 |
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| 講評 | 本稿は、琉球処分に注目し、琉球王国の沖縄化が沖縄の人々にとってどのように捉えられたのかを史的に考察したものである。本稿は、日本政府の視点から描かれる支配的な語りからこぼれ落ちる琉球の人々に光を当て、琉球のあり方をめぐって展開した多様な運動について、一次資料を用いながら丹念に明らかにした労作である。日本政府が安全保障上の理由から琉球を必要としたという地政学的な要因だけでなく、日本政府とそれに迎合した開化派との利害が一致したことで、琉球が日本に組み込まれていったことを明らかにした。加えて、清の保護下に留まることを求めた親清派は後景に退き、清に逃れ、経済活動を通じて沖縄に貢献する方向に運動が変化したことを論じた。本稿は、教科書では描かれない琉球の主体性に注目した点に、学術的・現代的意義がある。 |
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| キーワード1 | 琉球処分 |
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| キーワード2 | 琉球救国運動 |
| キーワード3 | 親清派 |
| キーワード4 | 開化派 |
| キーワード5 | 日清戦争 |