| 学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 崔 紗華 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 若者の意見を政治に反映させるには ―主権者教育の歴史と教育現場での実践― | ||||
| 内容 | 本研究は、少子高齢化の進行に伴い若者の政治的影響力が相対的に低下する中で、いわゆるシルバー民主主義が指摘される現代日本において、若者の政治参加をいかに促すかという問いを中心に据えたものである。まず、アンケート調査から若者の多くが政治に一定の関心を有しながらも、政治的有効感の低さや知識不足によって参加が阻まれている実態を明らかにした。次に、日本の主権者教育の歴史的な背景を整理し、教育二法や69年通達に象徴される「政治的中立性」の強調が、教育現場における政治教育の萎縮を長期的に生み出してきたことを示した。さらに、高校教員へのインタビューから、教員が主権者教育の必要性を認識しつつも、制度的制約や心理的負担により実践が十分に行われていない現状を把握した。以上の分析を通じて、若者の政治参加を促進するためには、主権者教育の充実と教育現場における政治を扱う環境整備が不可欠であり、将来世代の声を政治に反映させることでシルバー民主主義の是正にも寄与し得ることを論じた。 |
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| 講評 | 本稿は、政治的無関心や若者の投票率の低迷という現代的な問題点を出発点に、なぜ若者の投票率が低いのかを、戦後日本の政治教育の歴史に着目して考察した。また、主権者教育を行う教師へのインタビューを通じて、主権者教育の実態を明らかにした。その結果、文部省による教育二法及び69年通達が、日本における政治教育を抑制してきたことが明らかになった。また、主権者教育を行う現場の教師にインタビューを行うことで、現場ならではの葛藤が明確に描き出されている。主権者教育は、その必要性が認識されながらも、文科省からの明確な指導がなく、現場の教員にその教育が委ねられていることが明らかになった。また、インタビューを行ったことによって、69年通達が廃止された現在においても、教師の思いとは裏腹に、現場では主権者教育が自由に実施できていないという実態が明らかになった。政策と現場のギャップを丁寧に明らかにした本稿は、学術的貢献はさることながら、現代的意義のある研究である。 |
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| キーワード1 | 若者の政治参加 |
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| キーワード2 | 主権者教育 |
| キーワード3 | 政治的中立性 |
| キーワード4 | 69年通達 |
| キーワード5 |