| 学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 兒島 明 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 観光振興は伝統文化の継承に何をもたらすのか ―尾張万歳における伝統芸能の在り方をめぐる担い手の想いに着目して― | ||||
| 内容 | 本研究は観光振興が伝統文化の継承に及ぼす影響を明らかにするため、愛知県の民俗芸能である尾張万歳を事例とし、担い手への聞き取り調査を中心に検討した。少子高齢化や担い手不足が深刻化する現代において、伝統文化は存続のために社会的評価や外部との接点を必要とする一方、観光資源化や文化財指定によって芸能本来の性格が変容する危険性も孕んでいる。調査の結果、観光振興は認知度の向上や公演機会の拡大といった肯定的効果をもたらす一方で、団体運営の負担増加や、芸能の精神性が十分に理解されない事例が存在することが明らかとなった。また文化財指定は制度的支援の基盤となる反面、芸能の柔軟な変化を制約し、継承のあり方を固定化する側面もある。だが、観光振興と伝統文化の継承は必ずしも相反するものではなく、担い手が外部のまなざしと向き合いながら、守るべき価値と変化を受け入れる範囲を不断に模索する過程であることが示された。 |
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| 講評 | 伝統文化の継承と観光振興はいかなる緊張関係のもとにあるのかについて、尾張万歳の歴史的探索と現代の担い手へのインタビューをもとに検討した労作です。観光振興か伝統文化の継承かという問いは、3名の担い手それぞれの想いを聴きとるなかで、伝統文化継承の多様な担い方の実態把握と多様であることの可能性の考察へと深められていきました。担い方は多様でありながら、3名が皆、笑いと楽しさが原点であると述べています。この、歴史とともに地域に根ざした笑いと楽しさの創造と維持をいかに構造的に支えていくか。迷いも含めた当事者の貴重な声を丁寧に聴きとり、その課題と可能性に迫った本研究の意義はとても大きいと言えるでしょう。 |
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| キーワード1 | 伝統継承 |
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| キーワード2 | 民俗芸能 |
| キーワード3 | 観光振興 |
| キーワード4 | 文化財 |
| キーワード5 |