| 学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 奥井 遼 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 「自分らしく生きる」ことをめぐる葛藤 ―役割距離やケアの倫理を基に社会と自分の狭間に注目して― | ||||
| 内容 | 本稿は、「自分らしく生きる」ことを選択している最中に抱える葛藤を理解し、そのような葛藤の中でも「自分らしく生きる」選択をし続ける姿を理解するための道筋を得ることを目的とするものである。調査としては、Fさんという方に人生史をインタビューし質的研究を行い、「自分らしく生きる」ことを改めて定義することに挑戦した。そのために、Fさんが「自分らしさ」とどのように向き合ってきたかについての語りを、ゴッフマンをはじめとした先行研究をふまえて考察した。その結果、これまで自分と他人との二項対立のように語られてきた「自分らしく生きる」ことの葛藤は、より複雑で立体的な構造を有していることが示された。また、「自分らしく生きる」ことには他者の介入が必要不可欠であり、だからこそ「自分らしさ」を尊重したくなり、だからこそ葛藤するのであるという他者との相互依存な関係が、葛藤の背景にはあると論じることができる。 |
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| 講評 | 何かと他者からの視線や評価にさらされることの多い今日、自分のスタイルを貫きながら生きることは必ずしも容易ではない。本稿は、ゴッフマンやギリガンの理論を土台として、一人の女性へのインタビューを深く掘り下げることで、「自分らしく生きる」ことをめぐる葛藤の構造を明らかにしようとする労作である。自己が絶えず他者との相互関係の中で立ち現れるところに立脚し、その中間領域に「自分らしい役割」を成立させる女性の姿が描かれる。この新たな役割もまた、自己に対して(あるいは他者との間に)新たな葛藤を生むという、複層化する葛藤の構造もまた明らかになる。理論的には未整備な側面があるものの、既存の理論を土台としつつ、日常的に誰もが覚えうるような葛藤を丹念に解きほぐした点は評価される。 |
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| キーワード1 | 自分らしさ |
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| キーワード2 | 役割葛藤 |
| キーワード3 | ラベリング理論 |
| キーワード4 | 認知的不協和 |
| キーワード5 | ケアの倫理 |