卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名越水 雄二 年度2025年度
タイトルカントにおける啓蒙と教育の連続性にかんする考察 -<導くもの>を手掛かりに-
内容 本稿の目的は、イマヌエル・カントにおける啓蒙論と教育論の連続性を、人間形成という大きな枠組みの中で指摘することである。本稿は三章立てで構成され、第一章、第二章はそれぞれ二節、第三章は三節からなる。第一章では18世紀の啓蒙思想ならびにカントの啓蒙論の概要を捉える。第二章では教育と啓蒙にそれぞれ介在する<導くもの>がどのような存在か確認する。第三章ではカントによる悟性と理性の観点より、教育と啓蒙の連続性に言及する。以上より次のことを提示する。カントによる教育と啓蒙は、どちらも人間形成という枠組みのうちに位置づけられる。また両者には、世界市民的なまなざし、そして人類全体の善の志向という二つの共通項が存在する。加えて、教育による悟性の習得は、啓蒙における理性の使用が前提されていると考えられ、教育を啓蒙の前段階に位置づけることができる。したがって、カントによる教育と啓蒙には連続性が認められる。
講評 筆者はカントにおける啓蒙と教育との関係を、先行研究を検討したうえで、カントの著作を丁寧に読み進めて考察しています。カントの教育哲学を大学院で本格的に研究していく予定の筆者は、良い習作を学部の卒業論文で書き上げたと私は思います。今後、啓蒙について考察を深めるには『啓蒙の弁証法』といった批判的検討からの知見も活かしながら、カント教育哲学の現代的意義について探究を進めてください。
キーワード1 カント
キーワード2 啓蒙
キーワード3 教育
キーワード4
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