| 内容 |
本論文は、CSR (企業の社会的責任)の持続可能性に焦点を当て、事例企業の取り組みを分析した上で、企業活動が持続可能な社会づくりへどのような影響を与えるのかを考察するものである。近年、多くの日系企業が海外進出を果たし、さまざまな国で事業展開を行っている。特に、急速な経済成長を遂げる東南アジア諸国は、日系企業にとって人口規模の大きさや市場の成長性といった点で魅力ある地域である。しかし、経済成長による人口増加や都市化などにより、CO₂排出量の増大や資源不足などの深刻な社会的・環境的課題を抱えている。筆者は、このような状況下である ASEAN に進出し事業展開を行う日系企業がそれらの問題に対し、どのような姿勢で向き合い、取り組んでいるのかといった部分に興味を持った。
そこで、本論文ではこの点に問題意識を置き、企業が CSR をどのように位置づけ、どのような取り組みを実施しているかを検討することで、CSR の持続可能性を確立するための条件を明らかにすることを目的とする。 日系企業にとって、CSR が一時的な企業価値向上のための取り組みに留まらず、企業自身や社会の双方にとって持続可能な価値を生み出すものであり続けることを期待する。 |