卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名上田 眞士 年度2025年度
タイトル開発途上国の労働問題と先進国の関与
内容 本論文では、筆者のカンボジアでの実体験を出発点とし、経済発展段階の異なるインドネシアとカンボジアの事例を通じて、開発途上国における労働問題の構造と先進国の関与について考察した。特に、グローバルサプライチェーンの影響や、日本の技能実習制度との関連性に着目し、現地の若者が直面する閉塞感の要因を分析した。
分析の結果、インドネシアでは法規制緩和による雇用の不安定化、カンボジアでは法執行の脆弱性による直接的な搾取が常態化しており、両国とも国内労働市場への絶望感が若者を海外就労へ駆り立てていることが明らかになった。また、先進国企業によるサプライチェーンのコスト削減圧力が現地の労働環境を圧迫する一方、受入れ皿である日本の技能実習制度も「国際貢献」と「労働力確保」の乖離により、構造的な搾取を生んでいる実態が確認された。
途上国の労働問題はグローバル経済と連動している。解決には、新制度「育成就労」での手数料是正に加え、企業による対等なサプライチェーン構築と、外国人労働者を「隣人」として受け入れる共生社会の実現が不可欠である。
講評 卒論執筆に当たって,一番大事にして貰いたい点。それは「わかりたい」という気持ち,「理解する」という作業を一番大切にして欲しいということです。そして,そのためには,貪欲に読書することが必要だということです。曖昧模糊としていた問題意識も鮮明にすることになりますし,課題の掘り下げも深まることになります。本論文の開発途上国の労働問題に関する研究は,現地インターンシップで築いた人的ネットワークを活かした調査で,カンボジア・インドネシアの事例を検討した質の高い研究だと評価しています。技能実習制度の問題を論じている点も長所であると思います。
キーワード1 開発途上国
キーワード2 労働問題
キーワード3 グローバルサプライチェーン
キーワード4 国際労働移動
キーワード5 技能実習制度