| 内容 |
本研究は、現代日本における社会構造や価値観の変化を背景に、育児と労働の両立の困難がどのようなものなのかを明らかにし、現行の支援制度の特徴と課題、今後の支援のあり方について検討することを目的とした。
第2章では、育児・介護休業法の変遷を中心に日本の両立支援制度を整理し、共働きの増加など家族形態や社会構造の変化に応じて、制度は段階的に拡充されてきたことが確認された一方で、制度を取り巻く環境については検討を行う必要性が示された。 第3章では、共働き家庭およびひとり親家庭にそれぞれ焦点を当て、育児と労働の両立の中で具体的にどのような困難に直面しているのかを分析し、多くは職場文化や企業の人員管理、経済的制約などの外的要因によって生じているという実態が明らかになった。第4章では、企業と民間団体の行う両立支援の具体的な施策を取り上げ、それらが一定の有効性を持つ一方で資源的な限界を持つという課題について論じた。 以上を踏まえ、第5章では周囲への負担、未婚化・少子化の進行、制度の実効性の限界という課題を整理し、企業の組織体制の見直しや育児を選択しやすい社会基盤の整備の必要性を提言した。 本研究を通じて、育児と労働の両立支援は単なる男女の負担平等の実現だけでなく、多様な生き方を尊重し個人の望む選択を行いやすくなるための社会基盤でもあることが示唆された。 |