卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名寺井 基博 年度2025年度
タイトル日本型雇用におけるプレイングマネージャー化の要因について
内容  本研究は、現代の日本企業において管理職がプレイングマネージャー化している現状を、1980年代との比較から考察したものである。それまでの理職は、潤沢な人員とポストによる「組織的な余裕」に支えられ、マネジメントに専念することが可能であった。しかし、バブル崩壊後の成果主義導入や組織のフラット化により、余裕は失われた。一方で、日本的雇用の特徴である「職務の無限定性」は維持されたままである。その中で働き方改革が進み、部下の労働時間が厳しく規制された結果、あふれた業務や責任が、労働時間規制の対象外である管理職へ集中してしまう構造的な矛盾が生じている。その中で、現代のプレイングマネージャー化は、単なる個人の能力不足や資質の問題ではなく、このような雇用システムと環境変化によって引き起こされている構造的な機能不全であり、持続可能なマネジメントモデルを維持するには見過ごすことのできない問題である。
講評 本論文は、管理職のプレイングマネージャー化の要因を、1980年代以降の雇用をめぐる環境変化から明らかにしようとする意欲的な論考である。本論文では、日本的雇用の特徴である「職務の無限定性」は維持されたまま成果主義人事の導入により職務遂行がいっそう厳格になる一方で、働き方改革による労働時間規制により部下の労働時間が厳しく規制された結果、あふれた業務や責任が、時間規制の適用を受けない管理職に集中するという、構造的な問題があることを指摘する。結論部では、この問題の是正に向けて、労働者個人、組織及び制度からのアプローチが試みられているが、個人、組織、制度は相互に深く関係しており、とりわけ企業内の制度に基づいて労働者個人の意思や組織内の秩序が形成されることに着眼した考察が行われれば、なおよかった。
キーワード1 プレイングマネージャー
キーワード2 職務の無限定性
キーワード3 日本型雇用システム
キーワード4
キーワード5