| 学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 日本の障害者雇用における 合理的配慮義務と「包摂の質」 | ||||
| 内容 | 本論文は、日本の障害者雇用が法定雇用率制度や差別禁止・合理的配慮によって人数の面では拡大しているにもかかわらず、障害のある人が障害のない人と同じ職場で安定して働き続けられる環境が整っていない理由を考察した。 分析にあたって、星加・西田(2021)の示す「統合/分離」と「参加/疎外」という枠組みを手掛かりに、日本の障害者雇用が「分離&参加」の状態にとどまりやすい点に着目した。その要因として、第一に、法定雇用率制度があくまで雇用人数を増やすことを目的とした制度であり、どのような職場や職務で働くかという雇用の質の側面までは問わないこと。第二に、合理的配慮の範囲や過重な負担の線引きが曖昧で、事業所ごとの判断に委ねられていること。第三に、日本型雇用システムが長期雇用やフルタイム、転勤を前提としており、合理的配慮義務との間にズレがあること。 これらの制度的・構造的要因により、障害のある人を特例子会社や障害のない人と別の部署に配置し、比較的負担の少ない補助的な業務を用意する方向に向かいやすく、「分離&参加」の状態になりやすいことを明らかにした。 |
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| 講評 | 先行文献が読みこまれたよい文献研究論文である。本論文は、障害者雇用の法定雇用率引き上げによって雇用量は増加したものの、働き続ける環境の整備という点で課題があることに問題認識をもって考察が行われている。働き方の改善を促す目的で、合理的配慮義務(障害者が十分に能力を発揮するために企業が配慮すべき義務)が導入されているが、原則として時間無制約で働くことを前提とする日本的雇用システムでは、障害の有無によって配置が異なる等、障害者雇用における「包摂の質」が保障されていないことが指摘される。日本的雇用システムがなぜ見直されてこなかったのかという考察があれば、なおよかった。 |
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| キーワード1 | 障碍者雇用 |
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| キーワード2 | 合理的配慮 |
| キーワード3 | 法定雇用率制度 |
| キーワード4 | 分離&参加 |
| キーワード5 |