| 学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| タイトル | 長期休業者の職場復帰における阻害要因 〜育児休業と業務災害に基づく精神障害による休業の比較分析〜 | ||||
| 内容 | 本論文では、高い復職率を誇る育児休業制度とその多くが職場復帰することができていない業務災害による精神障害を原因とする休業という二つの長期休業を比較し、後者の復職を阻む要因を明らかにすることを目的とした。 分析の結果、労災制度における手厚い補償が逆説的に復職意欲を削ぐ疾病利得を生じさせているおそれがあること、さらに、職場復帰の基準について企業・主治医間で異なることが円滑な職場復帰を阻んでいるおそれがあることが分かった。また、企業が負う安全配慮義務や労災保険における治ゆ基準の曖昧さ等、復職を阻む要因は個人の問題にとどまらず、現行法や制度に根付くものであるといえる。 この現状を解決するため、他制度流用による動機付け、障害者雇用促進法の拡張による法的保護、企業・主治医間の連携推進という三つの解決策について考察を進めた。安易な法制度の流用・拡張は、矛盾や混乱を生じさせるおそれがあるため慎重になるべきであるが、医師及び企業の協力をはじめとする阻害要因解決に向けた施策を可能な範囲で進めていくことで、労働者が安全で充実して働けるような環境を形成していく必要があるだろう。 |
|---|
| 講評 | 本論文は、育児休業が企業による人材確保を目的とされているのに対し、精神障害による休業は労災制度による手厚い補償という社会保障的性格をもつことから、後者は復職意欲を削ぐ疾病利得という阻害要因を生じさせていることを明らかにしている。とくに、企業と主治医における職場復帰の基準に違いがあること大きく影響しているとする。したがって、精神疾患による休業からの職場復帰の阻害要因は、休業者本の問題だけではなく、法制度の運用が関わることから、本論文では、職場復帰プログラムや企業と主治医との協力連携のあり方の点から、問題解決に向けた意欲的な試みが提示されている。 |
|---|
| キーワード1 | 業務災害 |
|---|---|
| キーワード2 | 精神障害 |
| キーワード3 | 育児休業 |
| キーワード4 | 職場復帰 |
| キーワード5 | 職場復帰支援プ ログラム |