卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名寺井 基博 年度2025年度
タイトル女性採用増加は企業にとって真のメリットと言えるのか
内容  本論文は、「女性採用増加は企業にとって真のメリットと言えるのか」を問い、制度・統計・先行研究・国際比較を用いて検討した。女性活躍推進法の施行・改正により、企業は採用者に占める女性比率や女性管理職比率等の公表を求められ、女性の就業参加は拡大している。一方で、管理職比率は職位が上がるほど低下し、昇進機会の偏りや育休後の再配置(マミートラック)、長時間労働を前提とした管理職像などが、継続就業と登用を阻害する。国際比較からも日本は女性管理職比率で低位にあり、「遅い選抜」など制度設計の違いが格差の背景にある。以上より、女性採用は採用段階の外部評価(ESG・採用競争力)では一定のメリットを持つが、企業利益への転換には「採用数」ではなく「活躍の継続と意思決定層への登用」が鍵となる。管理職候補の早期育成、公平な配置・評価、復職後のキャリア設計、柔軟な働き方を昇進と接続する運用、文化改革を条件として、女性採用は人的資本の最大化を通じて企業価値向上に寄与し得る。
講評 本論文は、ESG等の外部評価に着目しながら、採用後の女性社員活用に向けた制度整備のコスト等を総合的に評価して、企業による女性採用増加の是非を論じている。結論として、「どれだけ採用したか」という外部評価指数よりも、「管理職や意思決定層での役割を果たすこと」に重点が置かれるべきであり、そのためには継続性と登用制度への取り組みが不可欠であることを指摘する。さらに、その具体的な方法として、欧米諸外国の例を挙げて日本型人事制度の改革の必要性を説く。しかし、なぜ日本型人事制度が堅持されているのかの検証はされていない。この点については、これから仕事をする経験の中で引き続き考えてもらいたい。
キーワード1 女性採用
キーワード2 女性管理職比率
キーワード3 両立支援
キーワード4 育休
キーワード5 フランス