| 学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 広告代理店の事例から見る日本の過労死について | ||||
| 内容 | 本論文は、広告代理店の働き方および実際の事例に着目し、日本の労働現場における過労死問題との関連性について考察することを目的とする。日本では、長時間労働や過重な業務負担を背景とした過労死が社会問題となっており、その要因として労働時間の長さに加え、職場環境や労働構造の問題が指摘されてきた。過労死の歴史や現状、広告代理店の事例を分析した結果、広告代理店ではクライアント優位の関係性や納期重視の業務体制、成果主義的評価制度が長時間労働を生み出しやすく、過労死リスクを高める構造が存在することが明らかとなった。また、長時間労働が生じる背景には、日本的な経営システムや雇用制度、文化慣習が影響していることを示した。以上より、広告代理店の働き方は過労死問題の縮図であり、過労死問題は個人の問題ではなく、日本の労働構造全体に起因する課題であると結論づけた。 |
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| 講評 | 本論文は、厚生労働省による過労死の定義を言踏まえた上で、業務における強い精神的負荷による精神障害を原因とする自殺に着目し、この定義の元となった広告代理店の事案を詳細に考察することにより、そこから日本的経営システムの問題を帰納的に論じている。その問題として、作業の不明確さ、休暇の取り難さ、企業内育成による忠誠心の形成が指摘されている。休暇の取りにくさは緩和されつつあるものの、作業の不明確さや企業内育成による忠誠心の形成は、現在もなお多くの企業で堅持されている。そのことが、過労死をいっそう深刻な問題として認識されるに至っているのではないだろうか。したがって、過労死の原因となる日本的経営システムがなぜ見直されてこなかったのかという考察があれば、なおよかった。 |
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| キーワード1 | 過労死 |
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| キーワード2 | 電通事件 |
| キーワード3 | メンバーシップ型雇用 |
| キーワード4 | 長時間労働 |
| キーワード5 |