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本論文では現在、問題となっている就職活動の早期化について取り上げる。2026卒の内定時期のデータを過去10年間の内定時期のデータと比較し、早期化の現状を整理した。これらデータから早期化が特に近年、急激に進んでいるとことが読み取れた。また、新卒一括採用の歴史を振り返り、経団連・政府と企業の間の就職ルールのせめぎあいについて述べ、何故、早期化が引き起こるのかについて考察を行った。その結果、就職ルールが形骸化していることや、新卒一括採用の仕組み自体が競争を基に成り立つものであることが早期化の主な原因であると考察した。
つまり、就職活動の早期化は学生側と企業側の双方の利害が一致して生じる現象であるといえる。企業にとっては優秀な人材を囲い込むことができ、学生にとっては早い時期からキャリアを決めることができる利点を持つ一方で、学生の大学での学業や課外活動を妨げるという点では多くの問題点を抱えている。このような大学の教育と採用慣行が噛み合っていない現状は、大学教育の本来の目的を損なっていると捉えることもでき、構造的に見ても問題の多い「おかしい」状況だ。今後は、大学・企業・政府が連携し、学生が自分のペースで就職活動に取り組める環境を整備することが求められる。 |