| 学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 三山 雅子 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 副業とFIREに見る現代日本の労働観の変遷 | ||||
| 内容 | 長期間の経済停滞とコロナ禍を経て加速したデジタル化は、日本の労働社会に大きな転換をもたらし、企業所属を基盤とした日本型雇用慣行は揺らぎつつある。本研究は、この構造変容をFIREと副業・兼業という二つの現象から検討することを目的とした。まず、高度経済成長期に成立した終身雇用・年功序列が個人の所属意識をいかに支えてきたかを整理し、次にバブル崩壊後の経済停滞や働き方改革といった環境変化がこの前提をどのように崩したかを分析した。その結果、副業は収入補填を超えて市場価値を高めるキャリア自律の手段となり、FIREは若年層の将来不安に基づく自己防衛であり、成功観の変化を象徴することが明らかとなった。総じてこれらの動向は、労働者が企業に従属する存在から、自らの意志で人生を設計する主体へと転換しつつあることを示す。この労働観の変容はウェルビーイング追求へとつながり、その結果「どう働くか、あるいは働かないかは、どう生きるか」という実存的かつ重要な問いを社会全体に突きつけるものであることを明らかにした。 |
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| 講評 | 本卒論はFIREと副業・兼業という二つの現象から、企業所属を基盤とした日本型雇用慣行の構造変容を解明しようとした論文である。分析の結果、副業は収入補填を超えて市場価値を高めるキャリア自律の手段となり、FIREは若年層の将来不安に基づく自己防衛であり、成功観の変化を象徴することが明らかとなった。総じてこれらの動向は、労働者が企業に従属する存在から、自らの意志で人生を設計する主体へと転換しつつあることを示しており、労働観が変容していることを示すものでもある。本論文の優れた点は、FIREと副業・兼業という現象から日本の雇用慣行の変容を指摘するだけでなく、労働者の労働観の変容をも指摘するという分析射程の長さにある。しかし、いかんせん自身の言葉で書かれた部分が少ない。この点がものたりない。早いスタートが望まれる。 |
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| キーワード1 | 労働観 |
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| キーワード2 | ウェルビーイング |
| キーワード3 | FIRE |
| キーワード4 | 副業 |
| キーワード5 |