卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名三山 雅子 年度2025年度
タイトル大卒フリーターにとっての「自由」とは何か ―テーマパーク産業を事例としたライフスタイルとキャリア不安の分析―
内容  本研究は、大卒フリーターが語る「自由」と、彼らが実際に抱える「不安」の関係性を、テーマパーク産業で働く若者の事例を通じて分析したものである。若者がフリーターを選ぶ理由には、時間の裁量、責任の軽さ、仲間との関係性の気軽さといったポジティブな要素が存在する。しかし、その背後には、非正規雇用を柔軟に利用したい企業側の思惑があり、雇用の不安定性・低賃金・社会保障の弱さといった構造的制約が潜む。とくにテーマパーク産業は、魅力的な感情的報酬を若者に与える半面、収入変動の大きさ、昇格・登用機会の乏しさ、スキル蓄積の難しさなど、自由の裏側にあるリスクが顕著にあらわれる領域である。
 自由と不安は対立する概念ではなく、非正規雇用の構造の中で同時に生じる現象であることが分析より明らかになった。また、若者支援政策の断続性や対象の限定性、企業側の受け皿不足といった制度的課題を指摘し、柔軟性と保障を両立する制度改革の必要性を示した。最終的に、雇用形態に左右されない社会保障、キャリア教育の拡充、企業・行政・教育の協働による支援エコシステムが、若者の「自由」が持続可能なものになる条件であることが結論である。
講評  一見「自由」に働く大卒フリーターのライフスタイルおよびその自由さと表裏他一体にある不安定さに焦点をあてた卒論である。もっと時間をかけて思考を突き詰めてほしかったとは思う。しかし、テーマパーク産業で働くフリーターを分析対象としたことによって、雇用形態と関連させて現代の若者に生じている働き方をめぐる価値観の変化を癖出することに成功している。
キーワード1 大卒フリーター
キーワード2 若年非正規雇用
キーワード3 自由な働き方
キーワード4 キャリア不安
キーワード5 非正規雇用の構造的制約