| 内容 |
本研究は、子どもの家事経験や家事に対する認識および両親の家事分担が、子ども本人の性別役割分業意識や結婚観にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした。先行研究では、「親の家事教育や家事手伝い」と「子どもの性別役割分業意識」との関係は検討されているが、「家事を”する”と”手伝う”の認識の違い」や「両親の家事分担」と「子どもの性別役割分業意識・結婚観」との関係は十分に研究がなされていない。そこで本研究では、産業関係学科の学生101名を対象に、小学生から大学生までの自身の家事頻度、家事に対する認識、両親の家事分担、性別役割分業意識、結婚観を尋ねるアンケート調査を行った。分析の結果、子どもの頃の家事経験が多いほど家事をより主体的な行為として捉える傾向が確認された。一方で、家事を主体的な行為だと認識していても、必ずしも性別役割分業意識への否定的な姿勢につながるわけではなかった。また、子どもの性別役割分業意識や結婚観と、両親の家事分担状況との間に直接的な関係は見られなかった。
これらの結果から、家事への主体性を育むうえで家事経験は意義のある行為だが、性別役割分業意識や結婚観の形成には「家事」以外にも多様な社会的要因が影響している可能性が示唆された。 |