| 内容 |
本研究は、日本の進学における地域格差に着目し、都市部と地方の教育機会がどのように異なり、その違いが若者の進学行動にどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的とした。文部科学省の統計では、東京都や神奈川県で大学進学率が70%前後である一方、東北・九州の一部県では50%前後にとどまっており、大学数や収容力の偏在、学習塾や進路情報の不足が進学機会を制約していることが確認された。また、義務教育、高校段階から学校配置や通学条件に地域差が存在し、その累積が大学進学段階での地域格差を生み出していた。
さらに、地方出身者と都市部出身者へのインタビュー調査からは、地方学生は「進学情報の不足」や「大学選択肢の少なさ」といった制約に直面しつつも、都市部の大学を「より良い将来のための積極的選択」として捉えていることが明らかになった。一方、都市部出身者が地方大学を選ぶ動機は、試験難易度や専門分野など選択的な理由が中心であった。
以上より、地域による教育機会の格差は、地理的条件、教育資源、教育意識などの要因が複合的に重なった構造的課題であり、その解消には都市と地方をつなぐ教育支援の強化が不可欠であることが示された。 |