卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名阿形 健司 年度2025年度
タイトル現代日本の安全保障における人的資源問題 ―自衛隊の人手不足の要因分析と解決策の検討―
内容  本研究は、自衛隊における深刻な人手不足問題について、その実態、構造的要因、および解決策を多角的に分析した。防衛省のデータ分析から、2024年度の自衛官充足率は89.1%にとどまり、特に組織の基盤を担う「士」の充足率は60.7%と最低水準であることが明らかになった。この人手不足は、組織のピラミッド型構造の機能不全、隊員の業務負担増大、組織規律の弛緩という三つの深刻な影響をもたらしている。要因分析の結果、待遇面の問題に加え、高等教育進学率の上昇により主要な募集対象層である高卒就職者が構造的に縮小していることが根本原因と判明した。政府施策を評価した結果、恩給制度の創設は高く評価できるが、給与・福利厚生の改善や定年延長には限界があることが明らかになった。これを踏まえ、若年層向けSNS広報の強化と、恩給制度と連動した予備自衛官制度の抜本的強化という二つの政策提言を行った。
講評  自衛隊の人手不足の要因を検討した論文。自衛隊の組織構造を知らない者にとっては興味深い事実が示されている。人手不足は多くの業界に共通なので、一次資料を入手して自衛隊固有の要因を追究できるとなおよかっただろう。提示された解決策の実現可能性はどれほどだろうか。
キーワード1 自衛隊の人手不足
キーワード2 任期制自衛官
キーワード3 恩給制度
キーワード4 予備自衛官
キーワード5 待遇改善