| 内容 |
"この研究の背景には、オリンピックが単なる国際スポーツ大会にとどまらず、社会におけるジェンダー平等の達成度を可視化する象徴的な場として機能してきたという認識がある。国際的には2024年パリ大会で男女参加比率が50:50となり、数量的平等は達成された。一方、日本においては女性選手比率が上昇しているものの、指導層や競技文化などにおいて依然として男女差が残っている。本研究は、日本のオリンピック代表における男女比の推移を明らかにし、「数の平等」と「質の平等」の関係を検討することを目的とした。
研究方法として、IOCや内閣府の公的資料、先行研究をもとに日本代表選手の女性比率の歴史的変化を整理し、男女混合競技である馬術を事例に分析した。馬術は性別による身体差が競技結果に反映されにくく、男女が同条件で競う数少ない競技であるため、ジェンダー平等を検討する上で重要な比較対象となる。
分析の結果、日本のオリンピック代表における女性比率は長期的に上昇し、近年では50%前後に達していることが確認された。しかし、競技間の偏りや指導層では男性が優位な立場にあるなど、質的平等は十分に実現されていないことが明らかとなった。一方、馬術競技では性別に依存しない独自の競技評価が成立しており、ジェンダー平等の理想的モデルとして位置づけられる。
以上のことから、日本のスポーツ界における今後の課題は、数量的平等の達成だけではなく、制度や文化の側面を含めた質的平等の実現にもあると結論づけられる。" |