| 学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 佐伯 順子 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 「“体育会だから就活に強い”は本当か?」 ―就職活動における体育会ブランドの実態― | ||||
| 内容 | 本研究は、「体育会学生は就職活動に強い」という社会的通念が、体育会学生の活動実態や経験とどの程度対応しているのかを明らかにすることを目的とした。日本の新卒一括採用制度においては、学生の属性が評価されやすく、「体育会」というカテゴリーも肯定的なイメージを伴うブランドとして機能してきた。一方で、体育会学生の活動内容や役割、競技レベルには大きな差がある。本研究では、同志社大学体育会所属の4回生59名を対象にアンケート調査を行い、体育会ラベルの受容、経験の実態、ネットワーク資源、活動と就職活動の両立に伴う負荷などを分析した。その結果、多くの体育会学生は就職活動において有利だと認識しているものの、実際には経験の質的差異が十分に評価されておらず、「体育会所属」という記号的評価が先行している側面が確認された。また、OB・OGネットワークの有無や部活動間の差が就職活動に影響を与えていること、さらに高い期待が心理的負荷やプレッシャーを生む可能性も示された。以上から、体育会ブランドは実態と乖離した側面を持つ複合的な評価構造であり、就職活動における評価の在り方を再検討する必要性が示唆された。 |
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| 講評 | 体育会所属の学生が就職に有利であるという言説は、まことしやかに社会に流布してきた。しかし、実態は本当にそうなのか、という疑問をもとに、アンケート調査も駆使して、その言説が単なるイメージなのか、社会的実態なのかを、実証的に論じた点に、本論文の意義がある。”社会的イメージ”というものは往々にして素朴に信じられがちだが、その内実を社会学的な手法で考察し、就職に有利ということは、体育会所属の当事者の経験によりある程度は正しいと言えるものの、一方で、体育会内部での活動実績については詳細に吟味されず、「体育会所属」という履歴が単なる「記号」として社会的に作用している事実を明らかにした。社会に横行するステレオタイプを相対化する意味でも、評価できる研究である。 |
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| キーワード1 | 体育会学生 |
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| キーワード2 | 就職活動 |
| キーワード3 | 体育会ラベル |
| キーワード4 | 属性評価 |
| キーワード5 | 記号的価値 |