卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名佐伯 順子 年度2025年度
タイトル若手アニメーターのキャリア形成に見るき日本アニメ業界の社会構造
内容 本研究は、日本のアニメ制作現場における若手アニメーターのキャリア形成を、労働実態・産業構造・ジェネレーションギャップ・外的環境要因の四点から総合的に分析したものである。近年、日本アニメ産業は市場規模を拡大している一方で、制作現場では低賃金、長時間労働、教育体制の脆弱さといった問題が常態化しており、特に若手アニメーターの高い離職率が深刻な課題となっている。本研究では、製作委員会方式や多重下請け構造といった産業特有の労働構造が、若手の不安定なキャリア形成を生み出していることを明らかにした。さらに、デジタル化やグローバル化、市場拡大といった外的要因が、世代間の価値観や技能評価の差異を拡大させ、若手の定着を困難にしていることを指摘する。以上より、若手アニメーターのキャリア問題は個人の努力ではなく、産業構造に起因する課題であり、持続可能なアニメ産業の実現には労働環境と教育制度の根本的な見直しが必要であることを示した。
講評 アニメの研究を、作品分析として展開するのではなく、若手アニメータの働き方に注目し、その労働現場が抱える課題やキャリア形成の実情を明らかにした点で、意義深い論文である。アニメ作品の表象分析については、メディア学以外の分野でも研究が行われているが、アニメの送り手側の労働実態に着目し、賃金や労働条件の過酷さと離職率の関係等について、アニメ産業特有の労働構造とともに論じた点が、社会学部ならではの成果といえる。今後の若手アニメータの労働環境の改善にも、参考になる論文として評価できる。
キーワード1 若手アメーターのキャリア形成
キーワード2 労働構造
キーワード3 制作委員会 方式
キーワード4 徒弟制度的 教育体制
キーワード5 ジェネレーションギャップ