| 学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 池田 謙一 | 年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| タイトル | なぜ人は陰謀論を信じるのか ―集団への愛着と陰謀論ー | ||||
| 内容 | 近年、ソーシャルメディアの普及とともに、陰謀論は社会的問題として注目され始めている。特にコロナ流行時、ウイルスの起源やワクチンの安全性に関する陰謀論は広く拡散し、人々の認知や行動に影響を及ぼした。本研究では、陰謀論信念の形成要因の一つとして、集団ナルシズムとの関連性に注目した。Douglas(2017)は、陰謀論を信用する3つの心理学的仮説を提唱している。本研究では、この理論に基づき、陰謀論信念の促進要因を包括的に検討し、複数の関連変数を投入した重回帰分析を行った。次に他の促進要因を統制した上で、集団ナルシズム変数が陰謀論信念に独自の影響を及ぼすがを調査した。 結果、いくつかの変数が陰謀論信念を有意に高めることが示され、集団ナルシズム変数を投入することで重回帰分析の説明力も有意に向上した。以上の結果から、本研究の仮説は部分的に支持された。 |
|---|
| 講評 | 2010年代後半以後、世界中で「陰謀論」の問題が大きく浮上し、SNS上での拡散を含めて、一般市民の陰謀論関連信念の規定要因の研究が加速している。本研究では、インターネット調査により、陰謀論の三つの心理的動機群の規定力とともに、社会的動機としての集団ナルシシズムの持つ意味に着目し、回帰分析によってそのインパクトを検討した。従属変数は陰謀論の一般的信奉、およびCOVID-19にまつわる陰謀論の信奉であり、一般性と特殊性の両面からアプローチしている。集団ナルシシズムは有意に両面での陰謀論信奉の説明力を上昇させた。その上で、とくにCOVID-19の信奉に関しては誇大性集団ナルシシズムの効果が明瞭に表れた。つまり陰謀論が所属集団の肯定的イメージを維持するために利用されるという解釈を支持した。先行研究と各種尺度の測定において完全に整合的とはいかなかったが、従来よく検討されていない陰謀論の側面をよく明らかにした。 |
|---|
| キーワード1 | 陰謀論 |
|---|---|
| キーワード2 | 集団 |
| キーワード3 | 自己愛 |
| キーワード4 | 重回帰分析 |
| キーワード5 |