卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名水出 幸輝 年度2025年度
タイトルテレビドラマ「孤独のグルメ」の「独白」にみる日本らしさ:海外グルメの食事シーンを手がかりに
内容  本稿では、テレビドラマ「孤独のグルメ」を対象に、主人公・井之頭五郎が海外グルメを食べる際の独白(心の中の語り)に表れる日本らしさを分析した。先行研究では一人で食事をするという設定に着目したものが多く、独白を悉皆調査した研究は見当たらない。そこで、全120話のうち海外グルメが登場する36話を対象に独白をすべて書き起こし、その内容を分析した。 
 調査の結果、独白には大きく2つの特徴が確認された。1つ目は、主にアジア圏の料理や雰囲気になつかしさを感じる「異国情緒・郷愁」に関する語りである。日本とアジアを差異化し、アジアを劣位に捉えるオリエンタリズム的な視線を通して、日本らしさが見出されている。2つ目は、日本の季節感や日本語、生活習慣を用いる「日本アナロジー」 と、白いご飯を基準に料理を評価する「米との関連」に見られる語りである。これらの独白は、五郎自身の生活感覚にもとづいた身近な日本を基準に、異文化を理解しようとしていることを意味する。このような語りが成立する背景には、五郎の内面が独白として言語化される作品形式の特性がある。視聴者も潜在的に抱く感覚として受け取りやすく、本作品の人気を支えていると考えられる。
講評 本稿は、テレビドラマ「孤独のグルメ」を題材に、食をめぐるオリエンタリズムを論じたものである。ドラマを見通し、さらに36話の「独白」をすべて書き起こすという、膨大な時間を要する作業が魅力的な論文といえる。こうした着実な作業が、分析、議論を説得的なものとしている。「孤独のグルメ」は人気ドラマであり、この作品を論じたものはいくつも存在しているが、そうした先行の議論では展開されていない論点を「研究」として論じることができた。
キーワード1 テレビドラマ
キーワード2 孤独のグルメ
キーワード3 独白
キーワード4 オリエンタリズム
キーワード5 日本らしさ