| 学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | ホラー映画から見える日本人の恐怖観の変遷 | ||||
| 内容 | ホラー映画は鑑賞者に恐怖を与えることを目的としたメディアである。したがって、描かれる表現はある特定の文化の影響を受け、加えて作品の側からも社会に影響を及ぼしていると言える。そこで本論文では日本社会を対象に、1960年代から現在にいたる日本のホラー映画を分析することで、日本人が抱く「恐怖」の変化を明らかにしようと試みた。方法としては、恐怖が起きる要因としてのコミュニティの関係と、恐怖表象としての「祟り」に注目して作品分析を行った。その結果、血縁が今より重視されていたの時代では、特定の人との関係とその崩壊への危機感が恐怖の対象であったが、核家族が一般化するにつれて、血縁の結びつきを超えた何か不特定の他者に対して恐怖を抱くようになり、インターネットが一般化した現在では、匿名性を持った「何か」に恐怖の対象な変化していることが明らかになった。この結果から、日本人の恐怖感はかつての明瞭なものから複雑で対処が難しいものへと変化しているという考察が導かれた。 |
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| 講評 | 本論文は、1960年代以降の日本ホラー映画を分析対象とし、作品に表象された「恐怖」の変容を社会構造の変化と結びつけて考察した点で意義がある。コミュニティの関係性と「祟り」という表象に着目した点は非常に鋭い。さらに、血縁が重視された時代には特定の関係の崩壊が恐怖の中心であったのに対し、核家族化以降は不特定の他者へ、さらにインターネット時代には匿名的な「何か」へと恐怖の対象が移行していると整理した分析は説得力がある。全体的に日本社会における「つながり」の変容と恐怖表象を対応づけた視点は評価できる。一方で、具体的作品の詳細な場面分析をさらに加えれば、社会的変化と映画表現との関連はより実証的に示されたであろう。 |
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| キーワード1 | ホラー映画 |
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| キーワード2 | 恐怖 |
| キーワード3 | コミュニティ |
| キーワード4 | 表象 |
| キーワード5 | 日本社会 |