卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名勝野 宏史 年度2025年度
タイトル政治的要素による他国への認識と大衆文化の関係性―韓国のノー・ジャパン運動と対日感情を中心に―
内容 本研究は、2019年の「ノー・ジャパン運動」を起点に、日韓関係における大衆文化と政治的認識の相関を分析したものである。1章と2章では問題提起と運動の概要を整理し、3章のインタビュー調査では、過去(2019年)と現在(2025年)における認識の変化を検証した。その結果、大衆文化への接触が歴史的・政治的な固定観念を緩和し、国家の枠組みに縛られない個人の認識構造を形成する決定的な要因となっていることが判明した。そして、4章では日韓の大衆文化における双方向交流の意義を論じ、5章ではそれらを踏まえた結論を導き出した。結論として、大衆文化に接した韓国人の対日認識が変容した背景には、文化の双方向交流の深化と、集団よりも個人を優先する「個人化」がある。そして本論文では、これらの要素が人々の「文化と政治の分離認識」を促進し、日韓の政治的葛藤下においても柔軟な相互理解を可能にするということを明らかになった。
講評 本研究は、2019年の「ノー・ジャパン運動」を契機に、日韓関係における大衆文化と政治的認識の相関を検討した点で意義がある。運動の経緯を整理したうえで、2019年と2025年の認識を比較するインタビュー調査を実施し、大衆文化への接触が歴史的・政治的固定観念を緩和しうることを示した点は説得力がある。とりわけ、双方向的な文化交流の深化と「個人化」の進展が、文化と政治を分離して捉える認識を促し、政治的緊張下でも柔軟な相互理解を可能にするという指摘は示唆的である。一方で、認識の変容の具体的契機や事例をさらに詳述すれば、大衆文化と政治意識の因果的関係はより明確になっただろう。韓国からの留学生として、両国の関係を新たな視点で捉えることが出来たのではないかと思う。
キーワード1 日韓関係
キーワード2 大衆文化
キーワード3 好感度
キーワード4 個人化
キーワード5 双方向交流