卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名勝野 宏史 年度2025年度
タイトルトランスナショナルな美容文化の循環が日本人の美意識を再編する ―韓国美容の受容と SNS・購買ルートの越境化に着目して―
内容 本研究は、韓国美容文化の流入が、日本の若年女性の美意識にどのような変容をもたらしているのかを明らかにすることを目的とした。日本における肌や化粧に対する美意識の歴史的変遷を整理したうえで、近年の韓国美容文化の受容過程に注目し、越境ECであるQoo10と、TikTok・YouTubeなどのSNSを分析対象とした。分析の結果、韓国美容文化は単なる流行として消費されているのではなく、動画メディアによる美のプロセスの可視化と、越境ECによる商品の即時的な入手可能性が結びつくことで、「実践可能な美の規範」として日本に定着していることが明らかになった。特に、透明感や均一な肌質を重視する韓国的な美意識は、スキンケア工程の多層化やベースメイク技法の高度化を通じて日常的に内面化されつつある。一方で、こうした環境は美容行為を「誰もが行うべきもの」とする美の義務化や低年齢化を促す側面も持っており、美意識の変容が社会的圧力を伴って進行している可能性が示唆された。
講評 本研究は、韓国美容文化の流入が日本の若年女性の美意識に与える影響を、歴史的整理とメディア分析を通じて検討した点で現代的な意義がある。日本における美意識の変遷を踏まえたうえで、Qoo10やTikTok・YouTubeを対象に、動画によるプロセスの可視化と越境ECによる即時的入手可能性が結びつき、「実践可能な美の規範」として定着していることを示した分析は評価できる。とりわけ、透明感や均一な肌質を重視する規範が日常的実践として内面化されている点の指摘は重要である。一方で、美の義務化や低年齢化がどのような具体的経験として現れているのかをさらに掘り下げれば、社会的圧力の実態はより明確になっただろう。
キーワード1 日韓美容文化
キーワード2 トランスナショナル化
キーワード3 消費行動
キーワード4 メディア分析
キーワード5 美の義務化