| 学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 在日中国系第二世のアイデンティティ構築とSNSエスニックメディア ―継承・変容・そして越境的連帯― | ||||
| 内容 | 本研究は、半構造化インタビューを用い、在日中国系新二世がSNSを中心とする中国語メディアをいかに利用し、その過程でどのようなアイデンティティを再構築しているのかを明らかにすることを目的とする。分析の結果、SNS型エスニックメディアは新二世のアイデンティティ形成において重要かつ多面的な役割を果たしていることが確認された。利用動機は主に情報収集・社交・娯楽に分類される。これらのメディアは相互交流を通じて社会関係や社会資本を形成する場として機能し、新二世の複合的で流動的な自己認識を支えている。また、差別経験をもつ当事者にとっては、新たな帰属意識を見出す空間ともなっていた。しかし、中国政府による情報統制の影響により、その連帯は主に中国系内部にとどまり、完全に国境を超えた接続には限界がある。また、ニュースメディアの利用は中国ルーツへの情緒的帰属意識を弱める傾向がみられた。政治化された対立構図や否定的言説、情報疲労により、国家レベルの抽象的他者性が強調され、生活経験との乖離が生じていた。 |
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| 講評 | 本研究は、在日中国系新二世がSNSを中心とする中国語メディアをどのように利用し、その中でいかにアイデンティティを再構築しているのかを半構造化インタビューに基づいて分析した点で意義がある。情報収集・社交・娯楽という利用動機の整理に加え、SNS型エスニックメディアが社会関係や社会資本を形成する場として機能し、複合的で流動的な自己認識を支えていることを示した点は説得力がある。また、差別経験をもつ当事者にとって帰属意識を再確認する空間となっているという指摘も重要である。一方で、中国政府の情報統制や政治化された言説環境が連帯の範囲を制限し、情緒的帰属を弱める可能性を論じた点は示唆的であるが、その影響過程をさらに具体的事例と結びつけて検討すれば、議論はより一層深まっただろう。 |
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| キーワード1 | アイデンティティ |
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| キーワード2 | SNS |
| キーワード3 | エスニックメディア |
| キーワード4 | 在日中国系第二世 |
| キーワード5 | 半構造化式インタビュー |