卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名勝野 宏史 年度2025年度
タイトル女子大生の入学式ファッションの変遷からみる「社会規範」の変容ー1980年代から現代までの雑誌『JJ』の記事比較を通してー
内容 本研究は、近年の大学入学式において女子大生の服装が黒いスーツに画一化している現象に着目し、その背景にある社会的要因を明らかにすることを目的とした。分析対象として、1980年代から2010年代にかけて刊行された女性ファッション誌『JJ』の入学式特集を用い、誌面における服装表現や言説の変化を時代ごとに比較した。その結果、1980年代には清楚さを前提としつつも色やデザインの多様性が認められていたのに対し、1990年代後半以降は「無難さ」や「失敗しないこと」が重視され、黒いスーツが主流化していったことが明らかになった。また、服装選択において意識される他者のまなざしも、親や社会から同世代や場の空気へと変化しており、現在の画一化は外的強制ではなく規範の内面化によるものであると結論づけた。
講評 本研究はその独創的な視点が先ず以て大きく評価できる。大学入学式における女子学生の服装が黒いスーツへと画一化している現象に着目し、その社会的背景を歴史的資料に基づいて検討している。1980年代から2010年代の『JJ』入学式特集を比較し、清楚さを前提としつつも多様性が認められた時期から、「無難さ」「失敗しないこと」が強調される時期への変化を丁寧に整理した点は非常に興味深い。また、他者のまなざしが親や社会から同世代や場の空気へと移行し、規範が内面化されていく過程を示した分析も説得力がある。一方で、雑誌言説と実際の学生の選択行動との関係をさらに検証すれば、画一化のメカニズムはより立体的に明らかになっただろう。
キーワード1 社会規範
キーワード2 服装選択
キーワード3 雑誌分析
キーワード4 まなざし
キーワード5 空気