卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名勝野 宏史 年度2025年度
タイトル韓国と日本における文化受容の非対称性 ― SNS時代におけるファッション消費とナショナルイメージ ー
内容 日本と韓国におけるファッション受容の差異を比較し、その背後にある文化的意味や社会的構造を明らかにすることを目的とした。アンケート・インタビュー調査の結果、日本では韓国ファッションが「価格の手頃さ」「トレンドの速さ」といった実用的・即時的価値を中心に消費されている一方、韓国では日本ブランドが「ヘリテージ」「高品質」「語れる知識」と結びついた文化資本として受容されていることが確認された。これはBourdieuの「趣味の階層化」概念と整合的であり、特に韓国男性においては、日本ファッションの選択が自己の社会的・象徴的地位を高める実践として機能していると考えられる。また、SNSの反応から今の韓国は海外文化を能動的に取り込み再編集する媒介者となっており、日本はその成果を参照・選択する立場にあることが示唆された。そして、韓国は過去日本で再編集されたアメリカ文化(服)を今受容している。以上より、日韓のファッション受容は「アメリカ(今)→韓国→日本」、「アメリカ(過去)→日本→韓国」という非対称的な文化循環構造の中で成立していると結論づけられる。
講評 本研究は、日本と韓国におけるファッション受容の差異を比較し、その背後にある文化的意味や社会的構造を明らかにしようとした点で意義がある。アンケートおよびインタビュー調査を通じて、日本では韓国ファッションが実用的・即時的価値を中心に消費される一方、韓国では日本ブランドがヘリテージや高品質と結びついた文化資本として受容されていることを示した点は説得力がある。Bourdieuの「趣味の階層化」概念と接続し、とりわけ韓国男性における象徴的地位の獲得実践として分析した視点も評価できる。また、アメリカ文化を媒介とした非対称的循環構造を提示した点は独創的である。一方で、その循環構造を裏付ける具体的事例や歴史的経路をさらに詳述すれば、理論的枠組みと実証の結びつきは一層強固になっただろう。韓国からの留学生として、研究対象を自己再帰的に分析できていた点も評価できる。
キーワード1 トランスナショナル
キーワード2 日韓ファッション受容
キーワード3 SNS時代の消費
キーワード4 文化資本
キーワード5 模倣