| 学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 「メディアコンテンツ戦略としての共感研究」 ~視聴者参加型オーディション番組における共感演出とファンの感情没入プロセス~ | ||||
| 内容 | 本研究では、視聴者参加型オーディション番組が支持者の熱狂を生むメカニズムを解明し、そこで生まれる対象への共感という曖昧な感情の構造を分析することで、その課題もふまえ、これからのメディアコンテンツに応用する方法について考察した。 オーディション番組の歴史的変遷とともに、溝川・子安(2015)のモデルをフレームワークとして共感の要因を分析した結果、現代のオーディション番組における共感獲得の鍵は、かつての演出による作られた感動演出だけではなく、SNS等により視聴者が対象の背景を深く理解する「認知的共感」がベースとなることがわかった。その一方、「認知的共感」には負の側面が避けられず、誹謗中傷等の課題は容易に無くならないことも明らかになった。放送尺の都合によるメディア側の「情報の切り取り」が視聴者の認知を歪めることは勿論だが、たとえそのような行為が無くても誹謗中傷は無くならないのである。 従ってこれからのメディアコンテンツは、情報の透明性を確保する姿勢を前提に、テレビ主体の考え方を捨て、ネット上の情報提供フルバージョンを主体として、テレビメディアで補完する考え方が必要だと結論付けた。 |
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| 講評 | 本研究は、視聴者参加型オーディション番組において支持者の熱狂がいかに生成されるのかを、共感という感情構造に着目して分析した点で意義がある。番組の歴史的変遷を整理しつつ、溝川・子安(2015)のモデルを枠組みとして共感要因を検討したことで、従来の「演出された感動」に加え、SNSを通じて対象の背景を深く理解する「認知的共感」が現代的特徴であることを示した点は説得力がある。また、その認知的共感が誹謗中傷という負の側面を伴うことを指摘し、情報の切り取りだけでは問題が解消しないことを論じた点も重要である。さらに、ネット主体・テレビ補完型という今後のコンテンツ設計への提言を提示した点は実践的である。一方で、「認知的共感」の概念的整理や、なぜそれが攻撃性へと転化しうるのかという心理的・社会的メカニズムをもう一段掘り下げることで、理論的厚みが一層増しただろう。 |
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| キーワード1 | ファンベースマーケティング |
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| キーワード2 | 認知的共感 |
| キーワード3 | 共感的/非共感的感情反応 |
| キーワード4 | 社会的行動 |
| キーワード5 | メディア環境 |