卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名伊藤 高史 年度2025年度
タイトルメディアによる喫煙描写が喫煙開始に与える影響と世代差
内容 本研究は、メディアにおける喫煙描写が喫煙開始に与える影響と、その世代差を明らかにすることを目的とする。日本では昭和期に成人男性の喫煙率が80%近くに達していたが、平成以降は健康志向や受動喫煙防止策の進展により大幅に低下し、現在では約25%にとどまる。この背景には、広告規制やメディア表現の変化が大きく関与していると考えられる。序論では、筆者自身の喫煙経験と父の「次元大介への憧れ」という語りを手がかりに、世代間で喫煙動機が異なる可能性を提示した。先行研究では、たばこの歴史、広告戦略、テレビ・映画・アニメにおける喫煙描写の変遷を整理し、昭和期の「男らしさ」「大人の象徴」としての肯定的表象から、平成・令和期の規制強化と自主規制による露出減少までの過程を概観した。さらに、異なる世代の喫煙経験者(50代男性1名、20代男性3名)への半構造化インタビューを実施し、喫煙開始の動機とメディア接触経験を分析した。その結果、昭和期に成人したAは広告・映画・アニメの影響を強く受け、「文化的必然」として喫煙を選択した一方、平成・令和期に成人したB・C・Dは、仲間関係や閉鎖的環境でのコミュニケーション資源として喫煙を始める傾向が確認された。ただし、若年層においてもアニメやドラマの喫煙描写が「やんちゃ」「ハードボイルド」「情緒表現」といった物語的コードを通じて潜在的に影響していることが示唆された。結論として、広告規制が進展した今日においても、メディアは喫煙の開始と継続に間接的な影響を与え続けている。本研究は、メディア表象と喫煙行動の関係を世代差の視点から検討し、今後の公衆衛生政策やメディア・リテラシー教育の課題を提示するものである。
講評 ご自身の体験に基づいて仮説を立てて、取材にもとづいて検証していただきました。途中、なかなか進まなかったときもあったようですが、何とか締め切りに間に合うように完成できました。インタビューに協力してくれた方々のお話をうまくつないで、興味深いストーリーをつくってくれたと思います。
キーワード1 メディアによる喫煙描写
キーワード2 喫煙開始
キーワード3 世代差
キーワード4 広告規制
キーワード5 メディアリテラシー教育